今回のテーマは「親子でシェアする給食レシピ」です。
こんにちは!「管理栄養士」「乳幼児食指導士」「こども成育インストラクター」の藤原朋未です。
「子どもへの食事は塩分控えめに、薄味を心がけましょう」とよく言われていますが、実際にはどのくらいの味付けがよいのか、悩んでしまいませんか。その結果、別々に食事を作ったり、子ども用に取り分けて調理をしたり……でもそれって大変ですよね。
わたしが保育園栄養士として働いていた園では、じつは園児の給食と一緒に職員の昼食も作っていました。もちろんメニューは大人も子どもも同じです。
大人用に調味料を足して調整するときもありましたが、園児と同じ味付けでも人気のメニューがたくさんありました。
今回は、そんな給食のレシピをもとにして、大人と子どもが一緒においしく食べられる、取り分けしないレシピを3つご紹介します。
各レシピのポイントにもおいしさの秘密があるので、ぜひチェックしてみてくださいね。
ポイント①「酸味を活用する」
酢やレモン、トマトなど、酸味のある食材を使ったおかずは減塩でもおいしく感じられます。食事全体の塩分量が抑えられるため、献立の1品に取り入れてみましょう。ただし、酸味がつよすぎると苦手に感じる子どもも多いので、加熱したり砂糖を加えたりすることで酸味を和らげるといいですよ。
酸っぱすぎない!まろやかにんじんサラダ
レンジで作る簡単レシピ。マイルドな酸味でにんじんの甘さが引き立ちます。
材料(大人2人+幼児1~2人分)
・にんじん・・・1本(約150g)
A
・酢・・・大さじ1
・オリーブオイル・・・大さじ1/2
・砂糖・・・小さじ1/2
・塩・・・小さじ1/4
・きざみパセリ・・・適宜
作り方
① 耐熱ボウルに(A)を入れて、混ぜあわせておく。
② にんじんは薄い輪切りにしてから、千切りに。①に加えて軽く混ぜあわせる。
③ ふんわりとラップをかけて、600Wの電子レンジで2分加熱する。
④ 全体をひと混ぜして、粗熱を取ってから冷蔵庫で冷やす。
⑤ 器に盛り、お好みできざみパセリをちらして、できあがり。
ポイント2「煮汁やたれで調節する」
煮ものや鍋ものなどは塩分の調整がしやすい料理です。子どもには煮汁やつゆを控えめにしてあげましょう。照り焼きやあんかけなどは、たれや餡を箸やスプーンで「ぬぐう」だけで手軽に薄味になります。調理中に取り分けなくても、食卓でさっとひとぬぐいすればOKです。
ぶりのねぎ照り焼き
定番料理も取り分けなし!大人はねぎだれをたっぷりとかけて。
材料(大人2人+幼児1~2人分)
・ぶり・・・3切れ(1切れ約80g)
・薄力粉・・・大さじ1
・油・・・大さじ1/2
・小ねぎ・・・4本(約20g)
A
・醤油・みりん・酒・・・各大さじ1
・砂糖・・・小さじ1
作り方
① ぶりをさっと洗い、ペーパーで水気をふき取ったあと、薄力粉を全体にまぶす。
※1~2歳は1/3切れ(約30g)、3~5歳は1/2切れ(約40g)程度が目安量
② 小ねぎを小口切りにして、(A)とあわせておく。
③ フライパンに油を入れて中火にかけ、ぶりを入れて3分ほど焼き、裏返してさらに2分ほど焼く。
④ 全体に火が通ったら、余分な油をペーパーでふき取り、フライパンの空いたところに②を加える。
⑤ たれが煮立ったら器に盛りつける。
ポイント3「大人は食卓でちょい足し」
味覚が敏感な子どもにとって、中華料理やエスニック料理などに多く使われる香辛料は刺激が強いもの。一方で、子ども用に味付けをすると大人には少々物足りないですよね。そんなときは盛り付け後のちょい足しがおすすめ。減塩にも効果がありますし、味の変化も楽しめるので一石二鳥です。
辛くない!給食の麻婆豆腐
味付けに香辛料を使わない、大人気の給食レシピを再現!大人もそのまま食べてみて。
材料(大人2人+幼児1~2人分)
・絹ごし豆腐・・・1丁(約300g)
・豚ひき肉・・・100g
A
・にんにく・しょうが(すりおろし)・・・各小さじ1/2
・長ねぎ・・・1本(約100g)
・にんじん・・・1/3本(約50g)
B
・味噌・砂糖・しょうゆ・・・各大さじ1/2
・だし汁・・・150ml
・水溶き片栗粉・・・適量
・豆板醤、ラー油、柚子こしょうなど・・・適宜
作り方
① 豆腐は食べやすい大きさの角切りにし、ペーパーを敷いた皿やバッドなどに広げて軽く水切りをする。
② 長ねぎ、にんじんをみじん切りにする。(B)を混ぜあわせておく。
③ フライパンに豚ひき肉と(A)を入れて中火にかける。全体に火が通り、野菜がしんなりとするまで、5分ほど炒める。
④ あわせた(B)を加えてひと混ぜしたら、だし汁と豆腐を加える。煮立ったら弱火にし、水溶き片栗粉を加えてとろみをつける。
⑤ 器に盛り、お好みで豆板醤、ラー油、柚子こしょうなどを加える。
ご紹介した3つのレシピは、どれも保育園で人気のメニューでした。わたしたち大人が「食べたい」「おいしそう」と感じることが、子どもの食べたい気持ちを引き出してくれるはずです。
取り分けしない給食レシピで、楽しい食事時間になりますように。