今回のテーマは「せき・のどの痛み、鼻水・鼻づまりにおすすめの食材」です。
こんにちは。幼児食アドバイザー・野菜ソムリエプロのますだすみよです。
そろそろ冬の足音が聞こえてきましたね。
気温が下がり、空気が乾燥してくると、予防をしていても風邪をひきやすくなります。
特に子どもは大人よりも体温調整がむずかしいため、急に体調を崩したり、せきや鼻づまりの症状が出やすくなります。
今回は、これらの症状が出たときにおすすめの食材についてお話しします。
まず前提として、「せき」「のどの痛み」「鼻水」「鼻づまり」すべての症状に大切なのは、こまめな水分補給です。体内が乾燥するとウイルスが侵入し、活動しやすくなってしまいます。症状があるときは、一度にたくさん飲むことは難しいので、「こまめに少しずつ」を心がけてくださいね。
せき
「せき」の要因はさまざまですが、のどから肺の間に炎症や異物があると、せきが出ます。
子どもは大人以上に痰(たん)をたくさん作るのですが、せきがまだ上手にできないので、外に出すことができず溜まってしまいます。子どものせきが長引くのはそのためです。
またウイルスが侵入して、のどや気管支に炎症をおこすと、のどに強い痛みを伴います。食べものや飲みものを飲み込むのもつらい状態になります。
せきをしずめる効果が期待できる食材
かぶ・大根
かぶや大根の細胞が壊れると作られる成分が、イソチオシアネートやアリルイソチオシアネートです。消炎・抗菌作用があるので、せきをしずめる効果が期待できます。
熱に弱いので、生のまますりおろして食べるのがおすすめ。皮の近くに成分が多く含まれるので、できれば皮ごとすりおろしましょう。
せきが出たら「大根おろしとはちみつ」がよい、という昔からの言い伝えは理にかなっているのですね!
大根はすりおろすと辛味が出る可能性があるので、子どもにはかぶのすりおろしに、はちみつを加えたものが食べやすいです。はちみつの栄養との相乗効果も期待できます。
(※1歳未満の赤ちゃんには、はちみつはNGです)
れんこん・にんじん
れんこんを切ると糸を引きますよね。その粘り気成分は、のどや気管支の粘膜を強くしてくれる効果が期待できます。また、皮の近くにはタンニンという炎症をやわらげてくれる成分があります。
これらの成分を効率よくとるために、よく汚れを落とし、皮ごとすりおろして使うのがおすすめ。すりおろしたものを液体に入れると、とろみがでるのでとても飲みやすくなります。れんこんは免疫力を高めてくれる、ビタミンCも豊富です!
にんじんに含まれるβカロテンは、体内に入ると必要な分だけビタミンAに変わってくれます。ビタミンAは、のどや気管支の粘膜や免疫機能を正常に保ってくれる働きがあります。
にんじんは固いと飲み込みにくいので、軟らかく煮たり、すりおろしたりすると食べやすくなりますよ。
「せき」におすすめの簡単レシピ2品!
にんじんとれんこんのすりおろし豆乳スープ
材料(作りやすい分量)
・すりおろしにんじん・・・大さじ2
・すりおろしれんこん・・・大さじ2
・だし汁・・・100㏄
・豆乳・・・100㏄
作り方
① だし汁に、すりおろしたにんじんとれんこんを入れる。
② 豆乳を加え、沸騰する寸前で火を止める。
※野菜はよく洗って皮ごと使いましょう。
かぶとりんごとはちみつのサラダ
材料
・りんご・・・適量
・かぶ(小)・・・1個
・はちみつ・・・小さじ1
作り方
① かぶ半分とりんごを皮ごと薄切りにする。
② 残りのかぶは皮ごとすりおろし、はちみつと合わせる。
③ ①を器に盛り、②をかける。
※かぶが固い場合は、塩もみすると食べやすくなります。
※かぶのすりおろしは食べる直前に作りましょう。
のどの痛み
のどが痛いときは、赤くはれて炎症を起こしています。
すっぱいもの、熱すぎるもの、冷たすぎるものなど、刺激があるものは避けたいです。みかんなどの柑橘類は、のどにしみますので気をつけましょう。
ごはんはおかゆに、うどんはくたくたに煮込んであげると食べやすいです。また、ゼリーはのどごしが良いのでおすすめの調理法です。
にんじんとりんごのゼリー
材料
・にんじんジュース・・・200㏄
・りんごのすりおろし・・・大さじ1
・アガー・・・5g
・砂糖・・・大さじ1
・水・・・大さじ2
作り方
① 鍋にアガーと砂糖を入れ、よく混ぜる。
② ①に水を加えて、だまにならないようによく混ぜてから、火にかけ溶かす。
③ にんじんジュースを加え、沸騰したら火をとめる。
④ りんごのすりおろしを加え、容器に移し粗熱がとれたら冷蔵庫で冷やす。
粘膜強化が期待できるにんじん、ビタミンCたっぷりのりんごを組み合わせたゼリー。アガーは寒天とゼラチンの間のような固さで、喉が痛いときには食べやすい食感です。
スーパーなどにも売っているので、のどが痛いときにはぜひ試してみてくださいね。
鼻水・鼻づまり
「鼻水」は鼻の中に異物が侵入したときや、炎症を起こしたときに異物を外に出すための症状です。「鼻づまり」はさまざまな原因で、鼻の中の粘膜が腫れることによって起こります。
子どもは鼻と耳がまだ成長の途中。構造上、異物が侵入しやすいため、大人より症状が出やすいのです。
鼻水・鼻づまりは寝つけなかったり、呼吸がしづらかったりして、子どもにとってはつらい症状です。少しでもやわらげてあげたいですよね。
鼻水・鼻づまりの症状改善が期待できる食材
にんじん・かぼちゃ・ほうれん草・長ねぎの青い部分
鼻の中は粘膜で守られています。粘膜を強化するβカロテン(体内でビタミンAに変化)が豊富な、緑黄色野菜がおすすめです。長ねぎはじっくり火を通すと、甘くなって食べやすくなります。
また乳製品にはビタミンAが豊富なので、緑黄色野菜と合わせて、グラタンやシチューの中に入れると食べやすいですよ。
レモン
レモンのさわやかな香りは鼻の通りをよくしてくれます。免疫力や粘膜を強化してくれるビタミンCもたっぷりです。
子どもたちの味覚は「酸っぱい」に敏感ですので、はちみつなどで甘みを加えたドリンクにしてみましょう。レモンの香りを嗅ぐだけでもいいかもしれません。
旬の野菜を食べることが予防につながる
気づきましたでしょうか?「せき・のどの痛み」「鼻水・鼻づまり」の症状をやわらげてくれる食材は、風邪をひきやすい「冬」が旬の野菜が多いんです。
冬が旬の野菜や果物には、次のような成分が含まれています。
症状をやわらげるには、のど、気管支、鼻の粘膜を強くすることが大切です。
寒くて乾燥する冬においしい野菜は、粘膜を強くしてくれる成分が豊富。積極的に食べることで予防にもなりますので、日頃から旬の食材を意識して食事を楽しみましょうね!