今回のテーマは「意識して噛む力を育てる」です。
こんにちは!「管理栄養士」の有本優美です。
食卓を囲んでいるとき、お子さんがちゃんと噛んでいるか気になることはありませんか?わたしは毎日のように「しっかり噛んでよー!」と声をかけています。
しっかり噛まずにまる飲みしてもどしてしまったり、硬いから、噛み切れないからと食べてくれなかったり……。
子どもの食べ方や噛む力は、子育ての悩みのひとつです。
今回は、噛む力を身につけることのメリットと工夫をご紹介します。
幼児期によく噛むことの大切さ
幼児期にしっかり噛むことには、さまざまなメリットがあります。
特に重要なのは「歯並び」と「脳への影響」です。
①よく噛むことであごが発達、将来歯並びがよくなる!
乳歯が生えそろった状態で隙間がないと、永久歯に生え変わるときに歯並びが悪くなるのでは?と心配になりますよね。
乳歯から永久歯に生え変わるまでの期間に、しっかり噛むことであごの発達を促せば隙間を作ることができます。きれいな歯並びを目指して、よく噛む習慣をつけましょう。
②噛む刺激は脳にもGOOD!
日々発達している幼児期の脳は、噛むことでさらに刺激が伝わります。脳に刺激が伝わると血流がよくなり、脳のさまざまな部位を活性化させることにつながります。
人間の知性に関わる【前頭前野】と、記憶力に関係する【海馬】という部分は、物事を判断する力や集中する力を司る重要な部分です。幼児期からしっかりと刺激したいものです。
また、噛むことによって、脳内には緊張を和らげるセロトニンという物質が増えます。イヤイヤ期のストレスや、心と言葉の発達の狭間でイライラしがちな幼児期には、たくさん噛んでリラックスしてほしいですね。
もぐもぐよく噛むことのメリット「ひみこのはがいーぜ」
よく噛むことのメリットはほかにもあります!
学校食事研究会などが掲げている噛む効果の標語を紹介します。お子さんと一緒に、食事の際に確認しあってみてください。
ひ 肥満予防
よく噛むことで満腹中枢を刺激し、食べ過ぎを防止します。
1口30回噛めるとすばらしいです!親子で一緒に数えながら、楽しんで挑戦してみてください。
み 味覚の発達
よく噛むと素材そのものの味がよくわかり、味覚が発達します。
例えば、ご飯をしっかり噛むことでお米本来の甘さを感じられます。
こ 言葉の発音はっきり
あごや口周りの筋肉が鍛えられ、口をはっきり開けてきれいに発音できるようになるといわれています。
の 脳の発達
よく噛むことで脳細胞が活性化されます。
は 歯の病気予防
噛むことで抗菌作用のある唾液がたくさん分泌され、虫歯や歯周病を防いでくれます。
が がん予防
唾液に含まれる酵素には、食品中の発がん性を抑える効果があります。
いー 胃腸快調
唾液が多く出ると、その中に含まれる消化酵素もたくさん出ます。さらに小さく噛み砕くことで、胃腸の消化吸収を助けてくれます。
ぜ 全力投球
ここぞというときに力を出せるのは、健康な歯と歯並びがあってこそ!歯並びと運動能力には関係があることもわかっています。
邪馬台国の女王であった卑弥呼が生きた弥生時代では、食事において噛む回数が現代の6倍だったともいわれています。卑弥呼はおそらくいい歯や歯茎をしていたのだろう……という想定から生まれた標語だそうです。
参考:学校食事研究会 月刊「学校の食事」
噛む練習におすすめのレシピ
よく噛む習慣を身につけるためにも、子どもの発達段階にあわせて適切な食材を取り入れたいですね。
2〜3歳頃
乳歯が生えそろうこの時期には、りんご、なし、柿、だいこん、きゅうりなど、硬めの果物や野菜から少しずつ取り入れます。
果物はくし切りの状態で食べにくければ、くし切りからさらにスライスするのがおすすめです。お子さんがうまく噛めるようになってきたら、少しずつ厚みをもたせていきましょう。
野菜は細長いスティック状にするとつかみやすくなるので、機嫌よく練習してくれます。
4歳以降
ごぼう、れんこん、フランスパン、こんにゃく、きのこなど、弾力のある食材や食物繊維の多い食材を取り入れ、口の中で左右にすりつぶす動きを鍛えます。
食物繊維の多い食材は、始めから大きく切りすぎてしまうと噛むのに疲れてしまい、噛む練習の前に食べないといったことが起こりがちです。
食べやすい大きさとして、ごぼうは「ささがき」、れんこんは「いちょう切り」や「半月切りのスライス」から試してみてください。
フランスパンは焼きすぎないほうが、奥歯で「グニュッ!」としっかり噛む練習ができます。ベーグルもおすすめです。
これらを踏まえて、おすすめのレシピをご紹介します!
具だくさんきんぴら
根菜たっぷりで歯ごたえバツグン!たっぷり作れるので常備菜としてもおすすめです。
材料 大人4人+子ども4人分
・れんこん・・・大きめ1節(300g)
・ごぼう・・・1/2本(75g)
・にんじん・・・1/2本(80g)
・板こんにゃく・・・1/2袋(110g)
・ちくわ・・・小さめ2本(60g)
・ごま油(炒め用)・・・大さじ1
A
・酒、しょうゆ・・・各大さじ2
・砂糖、みりん・・・各大さじ1
作り方
① 下準備として、材料を以下のように切る。
れんこんは皮をむき、半分に切ってから薄切りにして、酢水(分量外)に浸けておく。
ごぼうはたわしなどで泥を落としてから細切りにする。
にんじんは細切りにする。
板こんにゃくは1/3から1/4の厚さに切ってから細切りにする。
ちくわは縦半分にしてから斜めに薄切りにする。
② ごま油をフライパンに入れて火にかけ、れんこん・ごぼう・にんじんを入れる。れんこんが透き通ってくるまで3分ほど炒める。
③ ちくわ・こんにゃくを加え、さらに3分ほど炒める。
④ 全体に火が入ったらAを加え、2分ほど煮詰める。
⑤ 器に盛りつける。ごまや小ねぎをちらすのもおすすめ。
食感の異なるさまざまな具材を使った、親子ともによく噛めるメニューです。
「シャキシャキしてるね」「ぐにゅぐにゅするよ」と食感の違いを話しつつ、家族みんなで楽しく食べてくださいね。
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