テーマ「完全栄養食のたまごについて」
こんにちは「管理栄養士」の有本です。
タンパク質が多い食材と聞くと、魚や肉をイメージしますね。しかし、特に小さなお子さんのなかには「魚はキライ」「お肉は噛み切れない」「モソモソする」という子も少なくありません。
試行錯誤をしても食べてくれないことも多いなか、「がんばって料理する必要があるのかな?」と悲しくなることもあるかもしれません。
とはいえ、タンパク質は大切な栄養素。魚や肉が食べられないときに代わりになる食材として、取り入れてみてほしいのが「たまご」です。
完全栄養食品とされる「たまご」
9種類の必須アミノ酸が、カラダの必要量に対してどのくらい含まれているかを0~100の数値で表したものをアミノ酸スコアといいますが、たまごは、このスコアが100の食品です。
ほかにアミノ酸スコアが100となる食材は、肉・魚・牛乳。
そして、たまごはヒトが健康を維持するために必要な栄養素をバランスよく含んでいる食品のため「完全栄養食品」とされています。
ただし、たまごにはビタミンCと食物繊維は含まれていません。「完全栄養食品だから、たまごだけ食べてればいい」というわけではありませんので気をつけてくださいね。
さて、「たまごは1日1個まで」と言われたことはありませんか?
わたしは30代ですが、子どものころに言われた記憶があります。たまごに含まれるコレステロールの摂取量を抑える観点から、当時はそのように言われていたようです。
しかし近年、食事から摂取するコレステロール量が、血液中のコレステロール量に必ずしも影響を与えているわけではないことや、人間は自ら体内でコレステロールを作り出し、量をコントロールする機能があることが判明しました。
そのため、現在ではたまごの摂取について明確に1日何個までという基準はありません。厚生労働省も2015年より、『日本人の食事摂取基準』からコレステロールの目標摂取量(上限値)をなくしています。
何個でも食べていいわけではありませんが、厳密な個数は気にしなくても大丈夫になりました。たまごには脂質が多く含んでいますので、摂りすぎは控えたいです。
大きさにもよりますが、カロリーは約80〜90kcal程。1食当たりの摂取エネルギーの目安を考えながら、たまごを取り入れてみましょう。
タンパク質はなぜ大切なの?
たまごに豊富に含まれているタンパク質、これらは筋肉・骨・肌・髪の毛・爪など、人のカラダのほぼすべての組織を作っています。
タンパク質は、アミノ酸という分子中に炭素を含む有機化合物がたくさん繋がってできています。数百種類あるアミノ酸のなかでも、人のカラダの材料となるのは20種類で、そのうち9種類は必須アミノ酸と呼ばれています。
この必須アミノ酸はカラダの中では作り出せないため、食べものから摂取しなければなりません。
ぜひ3食きちんと食事をとり、必須アミノ酸が十分に含まれている肉・魚・牛乳や豆類などを偏りなく食べることを心がけてみてください。
肝臓や腎臓に負担がかからないように、あくまでも適量がおすすめです。
主な食品に含まれるタンパク質の量は下記になります。参考にしてみてください。
(参考:『八訂 食品成分表 2021』)
たまごがニガテな子も食べやすい!
「茶碗蒸しレシピ」
たまごがニガテな理由のひとつに、加熱した黄身のモソモソとした食感が挙げられます。そこでおすすめしたいのが、プルンッ!とのどごしがいい「茶碗蒸し」です。
鍋を使って蒸す方法なので、蒸し器がなくても簡単に作れますよ。
材料 大人2人+子ども2人分
・たまごMサイズ・・・2個
・水・・・約300ml(たまごの分量によって調整)
・白だし・・・大さじ2
・好みの具材・・・適量(今回は鶏肉と三つ葉)
作り方
① 鍋に器を入れ、半分以下くらいまで水を入れ、鍋底に布巾またはキッチンペーパーをひいて沸騰させる。
② 具材は食べやすいように、小さめの一口大に切って器に入れておく。
③ 計量カップにたまごを割り入れ、たまごの量を確認する。
④ たまごをボウルに移し、泡立てないように混ぜる。
⑤ 計量カップに白だしを入れ、水とあわせて300mlになるようにする。
⑥ ④のたまごとあわせ、なるべく泡立てないように混ぜてから、茶こしでこして器にそっと注ぐ。
⑦ 器にアルミホイルで蓋をして、沸騰した鍋に入れる。中~強火で約3分、その後弱火で10分ほど加熱する。表面に具材が見える盛りつけにしたい場合は、乗せる具材をあらかじめ加熱し、蒸し時間残り5分くらいの時に加えて蒸すのがおすすめ。
⑧ 加熱できたら、最後に三つ葉をのせて完成。