こんにちは!「冷凍生活アドバイザー」「野菜ソムリエプロ」のみつはしさなこです。
料理や食育の場面では、よく「旬の食材を食べましょう」という言葉を目にします。とはいえ、行事などで旬の食材を使うことはあっても、毎日の食事づくりに意識して旬を取り入れるのは、意外とむずかしいですよね。
最近は小学校受験をする家庭も増えていますが、小学校受験では季節の食材が出題されることもあるようです。野菜や果物の旬は、食育の観点からも子どもへ伝えたい知識のひとつでもあります。
けれども、スーパーに並んでいる食材はいつも同じに見えたりもします。
そこで今回は、日常のお買い物でできる「野菜と果物の旬を知るポイント」をご紹介します。
野菜や果物の旬が分かりにくいのは、なぜ?
スーパーなどでは、季節によって産地を変えたり、海外からの輸入品を仕入れたりすることで、基本的には一年を通して野菜や果物が手に入れられるようになっています。
そのため必要なものや食べたい食材、子どもの好物はいつでも手に入るのですが、一方で本来あるはずの「旬の食材」が分かりにくくなっているんです。
どうしたら旬の食材を知ることができるのでしょうか?
一見、いつも同じものが並んでいるように見える野菜や果物も、じつはよく見ると旬にあわせて変化しています。
スーパーで旬の野菜や果物を選ぶときのポイントを2つご紹介します。
ポイント① 国産の野菜・果物を意識して選ぶ
意識して国産品を選ぶことで、旬を食卓に取り入れやすくなります。
スーパーなどの店頭に並ぶ食材は、都道府県名や海外地域などの産地表示が義務付けられています。お買い物のときには産地表示を確認し、国産と分かるものを選んでみてください。
日々買い物をしていると、「あっ、海外産に変わったな」「国産なんて珍しい!」と気づく瞬間があるはずです。
いくつか代表的な旬の食材を紹介しますね。
【野菜と果物の旬】
かぼちゃ
冬至で用いるため、冬野菜のイメージがあるが、主要産地である北海道では、夏〜晩秋が旬。冬に入るとメキシコやニュージーランド産が主流となる。
オクラ
春〜晩秋まで出回る高知県産を除き、7月〜9月が旬。寒い時期はフィリピン産などが出回る。
りんご
品種リレーをしながら8月〜翌年1月にかけて出回る。8月後半〜10月にかけては、つがる。10月以降はシナノスイート、ジョナゴールドが店頭に並ぶ。
11月〜冬にかけては、シナノゴールド、サンふじ、王林など。春〜初夏にかけては、国内で昨シーズンに収穫した貯蔵品やニュージーランドなどの輸入品が多い。
みかん
代表的な温州みかんは10月〜12月が収穫時期。翌年1月以降も店頭には並ぶが、柑橘の旬である2月〜3月は、いよかん、デコポン、清見(きよみ)などの晩柑(ばんかん)類がメイン。
パイナップル
フィリピンや台湾などの輸入品が主流だが、5月〜7月になると沖縄産のボゴールパインやピーチパインが出回る。
特に果物は、春から初夏にかけては国産の果物がぐっと減るなど、季節による入れ替わりが分かりやすいです。店頭の果物コーナーを定期的にのぞいてみてくださいね。
ポイント② 国産品の産地をチェックする
都道府県名をチェックしてみましょう。同じ野菜・果物でも、時期によって産地が変わっていることに気がつきます。
【野菜と果物の旬】
トマト・ミニトマト
通年出回る定番野菜だが、冬はあたたかい九州や愛知県産が主流。一方、夏になると涼しい東北や北海道産が目立つように。
にんじん
北海道産がよく知られているが、4月~5月は徳島県産の新にんじんが出回る。
キャベツ
冬〜春にかけては愛知県産が多く、夏〜秋は気候が涼しい群馬県や長野県産に切り替わる。
ちぢみほうれん草
一般的なほうれん草より甘みがつよい、地面をはうように葉が広がっている、冬のほうれん草。12月〜翌年2月が旬。
すいか
4月頃から熊本県産が出回り始め、6月には鳥取県産・千葉県産、7月後半から山形県産へと、暑くなるにつれて徐々に産地が北上する。
旬の移り変わりを子どもと一緒に楽しもう
旬の野菜や果物は手頃な価格で手に入れやすく、栄養価が高いなどのメリットがあります。
日々の小さな移り変わりを旬の食材で知ることは、いつもの食事に変化や彩りを与えてくれるだけでなく、子どもにとっても食べものに興味を持つきっかけになります。
例えば、子どもと一緒に買い物をしているときに「りんごが出始めたね」と声をかけてみたり、食卓で「今の時期のトマトは●●県が多いんだよ」と話してみたり、意識して旬や産地を話題にしてみてください。
さらに会話と一緒に地図などを使うと、親子でわくわく楽しみながら覚えられます。
特別なイベント行事や経験がなくても、身近な野菜や果物を通して旬や季節の変化を知ることで、いつもの食卓が楽しく豊かな時間になるはずです。
楽しみながら、ぜひ取り入れてみてくださいね。