今回のテーマは「幼児期の味覚と、辛さの目安」です。
こんにちは!「冷凍生活アドバイザー」「野菜ソムリエプロ」のみつはしさなこです。
離乳食を終えて幼児食に変わると、食べられるものが一気に増えて、大人といっしょに食事ができる楽しみも増えますよね。
一方で「味つけは大人と同じでもいいのかな?」「どこまで辛いものをあげても大丈夫かな?」と迷うこともあるのではないでしょうか。
体内の機能がまだ発達段階の幼児期は、大人とまったく同じものが食べられるわけではありません。
今回は、大人と子どもの味覚の違いや、成長に合わせた「辛さ」の目安についてお話します。
子どもと大人の味覚の違い
子どもは「辛さ」に限らず、大人よりも食べたものの味に敏感に反応しています。
これは味覚を感じる舌のセンサー(味蕾:みらい)の数が、大人と比べて子どもの方が多く、味や刺激が強く感じられやすいため。
大人が「自分にはちょうどいい味加減だ」と思って一口あげたお惣菜が、子どもには塩辛くて嫌がられた……という経験、みなさんはありませんか?
また、カラダの消化機能が十分でない幼児期から、大人が食べるような味の濃い料理や刺激の強い味に慣れてしまうと、塩分などがカラダに大きな負担となり、大人になってからの生活習慣病にもつながりやすくなります。
さらに、保育園や学校の給食に馴染めなくなってしまうケースもあるので、幼児期のうちの味付けには特に注意が必要です。
成長に合わせた、食べられるものの変化
では、どのぐらいの味付けが適切なのでしょうか。「離乳食期」「幼児食期」「学童期」と、子どもの成長に合わせた辛さの付き合い方の目安をまとめました。
薄味を好むお子さんもいるので、お子さんの様子に合わせて取り入れてみてください。
離乳食期/生後6ヶ月〜1歳半ごろ
咀しゃくと消化機能の発達に合わせた、噛みやすいもの、消化しやすいものを食べさせる。味付けは、素材の味やだしを基本とした薄めのものに。
幼児期/1歳半〜3歳ごろ
成長とともに少しずつ大人と同じものが食べられるようになるが、腎臓や肝臓の機能がまだ未熟。味は大人が「物足りないな」と感じる程度の薄さで。
醤油やケチャップ、ふりかけなどは味が濃くなりやすいので量に注意。また、消化に負担がかかりやすい油っこいものも控えめにする。
幼児期/3歳〜5歳ごろ
だんだん大人の食べるものに興味を示すように。刺身など、生ものも食べられるようになる。
味付けは引き続き薄味が望ましいが、カレー粉(ガラムマサラや唐辛子の辛味が少ないもの)などの味は食が進みやすいので、風味付けに活用するのもあり。
また好き嫌いを示す時期でもあるので、声かけや環境に工夫して「苦手だけど食べられた!」という経験を増やせるように配慮する。
学童期/6歳ごろ以降
おおむね10歳ごろに味覚が完成。より辛味のあるスパイスや、唐辛子を使った料理も少しずつ試せるようになる。
幼児期のスパイスの使い方
幼児期におけるスパイス料理は、どのように考えたらいいのでしょうか。2歳以降から5歳ごろまでの目安として、代表的なものをピックアップしました。
スパイス編
✔こしょう:肉や魚など臭み消しの下処理として少量使うのはOK
✔からし、マスタード:辛くないタイプなら風味づけ程度に
✔唐辛子、チリ:なるべく使わない
✔ガラムマサラ:なるべく使わない
✔タバスコ:使わない
✔わさび:使わない
料理編
・カレー:年齢や好みに応じて、幼児向け商品や甘口カレーなどとブレンドして味を調整する。可能であれば、大人と作り分ける。子ども用カレールウ程度の辛さを目安にしながら、少しずつ甘口カレーを足してみても。
・麻婆豆腐:唐辛子を含む豆板醤などを使った料理は強い刺激があるので、学童期になるまではあまりおすすめしません。豆板醤(トウバンジャン)は使わず、甜麺醤(テンメンジャン)もしくは味噌をベースに作る
・エビチリ:豆板醤は使わず、ケチャップをベースにする
・キムチ:まだ食べさせない
(おまけ)親子でおいしいカレーの味つけ
子どもに辛味の効いたカレーがまだ早いのは理解できるけど、大人用と子ども用を作り分けるのってちょっと大変……ですよね。
そんな方におすすめしたいのが、子ども用カレーをベースにした「後がけスパイス」方式です。
小さなお子さんとの食事や、好きな辛さが違うパパママにもおすすめなスタイルです。2つ作り分ける場合と比べて洗いものが少ないのも、忙しい子育て家庭には助かるポイントです。
まとめて作る際には食中毒を起こさないよう、余ったカレーは冷蔵庫に保存して3日程度で使い切るようにしてくださいね。
チーズをトッピングして「チーズカレートースト」にしたり、出汁で薄めて「カレーうどん」にすると、一度作ったカレーで何回も楽しめます。
お子さんの味覚に寄り添いながら、大人もおいしく料理を楽しんでくださいね。