今回のテーマは「子どものお手伝いについて」です。
こんにちは!「管理栄養士」「乳幼児食指導士」「こども成育インストラクター」の藤原朋未です。
私は今0歳と3歳の男の子の子育て中です。専門家として乳幼児食のレシピ開発や料理教室などの活動をしているので、子どもの料理にはちょっとだけ自信があったのですが、わが家の長男は食べることに興味がない子でした……。
すっかり自信喪失してしまいましたが、そこから子どものカラダや心の成長と発達、食べ方や関わり方に関して学び直すことに。
子どもの『食べたい!』の引き出し方を日々研究しています。このコラムでは、わが家の実践方法をいくつか紹介いたします。
急いで作ったのに!全然食べてくれな〜い
平日の夜は戦場。寝かしつけまでに夕食・お風呂・歯磨き……と、やることが盛りだくさん。どんなに急いで夕食の支度をしても、子どもの”食べたい!”というやる気がないと、いつまでたっても手が伸びない、口が動かない。
どんどん時間がたって、イライラ。「早く食べなさ~い!」と大きな声を出してしまう。そんな日常は、きっとわが家だけではないはず。
まずは、食べない理由を考えてみた。
お腹が空いていない
夕食ができるまで待てない!お腹が空いた!そんな子どもの要求に対して、ついお菓子を与えてしまったりする夕飯時。ごはんもキチンと食べると約束したのに。
もちろん、子どもは初めから約束を破ろうとは思っていません。食べる‟つもり“だったごはんも、お菓子でお腹が満たされてしまえば食べたい!という気持ちが薄れてしまうのは当然ですよね。
わかってはいるけれど、夕食の準備を進めるためにも(あげれば静かにしてくれるので)お菓子に頼ってしまう。結果、夕食のときには子どもはお腹が空いていない、そんな悪循環でした。
食事に興味がない
夕食の準備中、子どもはなにをしている?
おもちゃで遊んでいたり、テレビを見ていたり、お菓子を食べていたり。そんな中で「ごはんだよ!」といきなり食事に誘っても、子どもは気持ちを切り替えられません。
食事のお手伝いをすることで、食事に興味が湧くというのはよく聞きますよね。ただ、お手伝いとなると準備や片付けが大変。野菜をちぎる、混ぜる、盛り付けるなど、どんなに簡単といわれる作業でさえも、わたしの気持ちと時間に余裕がないとさせてあげられませんでした。
そこで、準備がいらない、すぐにできるお手伝いをお願いすることにしました。
それは、味見のお当番さんです。
味見のお当番さんのやり方
① 味見お当番を任命する。
② キッチンに誘い、味見をしてもらう。
③ 感想を聞く。
以上、これだけです(笑)。
味見のお当番さんのメリット
1. 準備が不要
ごはん、みそ汁、炒め物のキャベツ、サラダに入れるかにかま…
その日の食事に使う食材であればなんでも構いません。
2. お当番という役割がうれしい
自分の役割があり、それを果たせたことで自信につながります。「お当番さんお願いします」「味見してくれてありがとう!」そんな声がけをすれば、役に立てたという達成感が得られます。
3. お腹が空いた!の対策にも効果的
味見をしたことで少しくらいお腹が満たされても、食事の一部なので気になりません。
子どもはこの後の食事との関りが持てるので”食べたい!”という気持ちにつながりやすいです。
4. キッチンで食べる、みんなより先に食べるという特別感
いつもと違う空間で立ったまま食べる、そして1番に食べられるという特別感に子どもはわくわくします。このときに食事のマナーは気にしません。もしかしたら苦手な食材にも挑戦できるかも。
味見のお当番さんのポイント
味見のお当番さんは食べて終わりではなく、感想を伝えるまでが役割です。
3歳の長男にはこんな声がけをしています。
声がけ実践例
・この野菜はなーんだ?
・キャベツは何色に見える?
・小鉢を見せて、どっちが多い?少ない?
・サラダ入れるのはツナとチーズどっちがいいかな?
「おいしい?」とは意識的に聞かないようにしています。子どもにとっておいしくない可能性もありますから。
味見のお当番さんを始めたばかりの息子は、「おいしい」や「わかんない」などの感想ばかりでしたが、続けるうちに「いつもと違う味がする!」「ごはんにのっけたらおいしいんじゃない?」「これもっと食べたい!」など、食事に対して積極的な言葉が出るようになりました。
もちろん、息子も私もこのお当番さんですらやる気にならない日もあります。そんなときはお休み。お手伝いするための準備をしているわけではないので、がっかりすることもないのです。
食べたい気持ちを引き出すためのわが家の工夫、よかったら試してみてくださいね♪