今回のテーマは「手の発達の進み方」です。
こんにちは!「管理栄養士」「現役の保育園栄養士」の椛嶋貴子です。
自分で食べる力を育てるために知っておきたい「手の発達の進み方」。今回は手の発達がどのように進むのかを知ったうえで、発達を促すために親ができる手助けについてお話したいと思います。
手の発達は小指から進む
赤ちゃんが小さなものをつかもうとするとき、どのように手を動かすか、じっくり観察したことはありますか?
大人であれば親指と人差し指を使ってつまむところ、赤ちゃんは小指や薬指あたりを使ってつかもうとします。また、2歳の子どもに「何歳?」と聞くと、とてもぎこちなく手でピースサインを作ったり、まだうまくできずに両手を使ってピースの形にしたりすることがあります。
これは、手の指がまだ未熟な発達段階だから。
手の発達は、じつは小指側から進みます。このような発達の段階を知り、食事や遊びの中でうまく手助けすることで、自分で食べる力がしっかり備わるのです。
手の発達を助けるために親ができること
子どもの手の発達を助けるために、親はどのように手助けするといいのでしょうか?いくつかのポイントをご紹介します。
★離乳食後期から幼児食の初期段階には、手づかみ食べをたくさんさせてあげましょう。
それに合わせて、食器を上手に選んであげられるといいですね。
★手づかみ食べを始めた頃は、ふちが立ち上がっているものを用意しましょう。まだ上手に食べものをつかむことができないので、皿のふちも使ってつかみやすくしてあげます。
★指先が上手に使えるようになり、小さいものをつまんで食べられるようになったら、ふちの立ち上がりがないものに変えてあげます。皿のふちを使わずに、指先を意識的に使うようにするのがポイントです。
★スプーンを使って食事ができるようになったら、しっかりと握れるように様子を見てあげましょう。細い柄のものが持ちやすい子もいれば、太いものがラクな子もいます。子どもの好みにあわせて最初は手全体で持てるように、スプーンを選んであげてくださいね。
手の発達を促す、オススメの遊び
手の発達に合わせた遊びも取り入れてみましょう。
手づかみ食べを始めたころは、ものをつかむ遊びを。
例えば、つかみやすい大きさのものをポットンと穴に落として遊ぶおもちゃ、薄い布をひっぱりだす遊びは手全体を使って遊べるのでおすすめです。
指先でつまむようになったら、遊びで物をつまむ動きがあるものを。
例えば、カード落としは最初こそ難しいですが、できるようになると集中して何度も繰り返し遊ぶようになります。
スプーンを使うようになったら、指先や手首を動かす遊びを取り入れるのがおすすめ。
トングを使ってものをつまんで移しかえる遊びや、布をくるくると丸める遊びを取り入れるといいですね。
お箸を使い始めるのに最適な年齢は?
手の発達にあわせて、食具を選ぶことも大切です。特にお箸を上手に使えるようになるには、使い始める時期をしっかり見極めることが必要。
お箸は、親指・人差し指・中指を主に使います。お箸を上手に使うには、これらの指がしっかり発達していること、そして手首のやわらかさも重要になります。
保育園や幼稚園、ご家庭でも3~4歳頃にお箸を使い始めることが多いのではないでしょうか?でも、じつは3~4歳では早すぎる場合があるんです。
手の発達は小指側から進むので、お箸を使うときに必要な親指・人差し指・中指の発達が充分に進むのは5~6歳頃といわれています。
もちろん個人差があり、3~4歳頃に上手にお箸を使うことができるお子さんもいますが、うまく使えないのに無理やり早くから使ってしまうと、変な癖がつき「刺し箸」や「握り箸」など、間違った使い方をしてしまう原因になることもあります。
まずはスプーンを使って、しっかり食事を食べるようにしましょう。
そして、スプーンの持ち方も手やカラダの発達とともに変化していきます。だいたい3段階にわけて発達していきます。
① パームグリップ
上から握るように持つ
② フィンガーグリップ
上から握るように持ち、親指と人差し指の腹でしっかりはさむように持つ
③ ペングリップ
親指、人差し指、中指の三本でペンを持つように持つ
さらに利き手と反対の手でお茶碗が持てるようになった頃に、お箸を使い始めるとベターです。
またお箸を使い始めたばかりの頃は、箸を使って食べるだけで疲れてしまうので、スプーンとあわせて使うのがおすすめです。
手の発達について知ると、今はどんな段階で、どのように手助けしてあげたらいいかの見通しが持てますよね。コラムを参考に、お子さんの様子を見ながらゆっくり進めてみてくださいね!
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